\( L/K \) を体の拡大とします。任意の \( L \) の元に対して、その \( K \) 上の最小多項式が重根を持たないとき、\( L/K \) を 分離拡大 と言います。例えば、\( \mathbb{C} /\mathbb{R} \) は分離拡大になります。実は、一般的に \( \mathbb{C} \) に含まれる 代数拡大は常に分離拡大になることが示せます。
     今回は共役の概念について述べた後、 \( \mathbb{C} \) に含まれる分離拡大の性質を解説します。

    注意) 議論を簡単にするために、今回から体はすべて複素数体 \( \mathbb{C} \) に含まれるものを考えます。一般の場合は、下記の参考文献などをご覧ください。

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    [1] 体論の授業ノート一覧
    [2] 代数拡大 (体論)

    参考文献

    [1] 彌永 昌吉 , 有馬 哲 , 浅枝 陽、「詳解 代数入門」、東京図書
    [2] 中野伸、「ガロア理論」、サイエンス社
    [3] 雪江明彦、「代数学2 環と体とガロア理論」、日本評論社