授業内容

     正方行列 \(A\) に対して、

    $$AB=BA=E\;\;(\leftarrow \text{単位行列})$$

    を満たす正方行列 \(B\) があるとき、 \(A\) は 正則行列 と言います。また、\(B\) を \(A\) の 逆行列 と言い、 \(A^{-1}\) で表します。例えば、

    $$A= \begin{bmatrix} 1&2\\2&3 \end{bmatrix}$$

    を考えると、

    $$\begin{bmatrix} 1&2\\2&3 \end{bmatrix}\begin{bmatrix} -3&2\\2&-1 \end{bmatrix} =\begin{bmatrix} -3&2\\2&-1 \end{bmatrix}\begin{bmatrix} 1&2\\2&3 \end{bmatrix} =\begin{bmatrix} 1&0\\0&1 \end{bmatrix}$$

    より、\( A\) は正則行列で、逆行列は

    $$A^{-1}=\begin{bmatrix} -3&2\\2&-1 \end{bmatrix}$$

    となります。今回の授業ノートでは、与えられた正方行列が正則かどうかを判定する方法や、逆行列の求め方について、例題を交えながら解説します。

    キーワード: 正則行列逆行列行列の簡約化

    授業ノート

    関連する授業ノート

    [1] 線形代数の授業ノート

    [2] 行列の簡約化と階数

    参考文献

    [1] 石井園子, 「やさしく学べる線形代数」, 共立出版

    [2] 加藤文元, 「チャート式シリーズ 線形代数」, 数研出版

    [3] 三宅敏恒,「線形代数」, 培風館