授業内容
ベクトル空間の間の写像 \( T: V\rightarrow W \) が次の二つの条件を満たすとき、 線形写像 と言います。
(i) 全ての \(\boldsymbol{u}, \boldsymbol{u}^{\prime}\in V \) に対して、\( T(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{u}^{\prime})=T(\boldsymbol{u})+T(\boldsymbol{u}^{\prime}) \)
(ii) 全ての \(\boldsymbol{u} \in V \) と \(c \in \mathbb{R} \) に対して、\( T(c\boldsymbol{u})=cT(\boldsymbol{u}) \)
つまり、ベクトル空間の足し算とスカラー倍を保存するような写像のことです。例えば、 \( (m, n) \) 型行列 \( A \) に対して、
$$ T: \mathbb{R}^m \rightarrow \mathbb{R}^n\; (\boldsymbol{u} \mapsto A\boldsymbol{u}) $$
は線形写像になります。今回は、線形写像の定義や性質について、具体例を交えながら説明します。また、後半では、線形写像の像 (イメージ)や核 (カーネル)の概念についても触れます。
キーワード: ベクトル空間、 線形写像 、像、核
授業ノート
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[5] ベクトル空間の基底と次元の計算方法 (線形写像)
参考文献
[1] 石井園子, 「やさしく学べる線形代数」, 共立出版
[2] 上野 喜三雄, 「線型代数の基礎」、内田老鶴圃
[3] 加藤文元, 「チャート式シリーズ 線形代数」, 数研出版
[4] 三宅敏恒,「線形代数」, 培風館