授業内容

     空でない集合 \(X、Y\) に対して、\(X\) から \(Y\) へ全単射が存在するとき、\(X\) と \(Y\) の濃度は等しいと言い、\(X\sim Y\) で表します。例えば、写像

    $$\begin{eqnarray*}f(n)=\begin{cases}\frac{n}{2}\quad\quad  \quad \text{ $n$ が偶数のとき, } \\[3mm]\frac{1-n}{2}\quad\quad \text{ $n$ が奇数のとき}\end{cases}\end{eqnarray*}$$

    は\(\mathbb{N}\) から \(\mathbb{Z}\) への全単射となるので、\(\mathbb{N}\sim \mathbb{Z}\) となります。
      無限集合のうち、\(\mathbb{Z}\) のように、 \(\mathbb{N}\) と等しい濃度を持つ集合を可算集合と呼び、そうでないものを非可算集合と呼びます。\(\mathbb{Z}、 \mathbb{Q}\) は可算集合ですが、\(\mathbb{R}\) は非可算集合になります。
     授業ノートの前半では、濃度の例や基本的な性質について紹介し、後半ではカントールの対角線論法を用いて、\(\mathbb{R}\) が非可算集合であることの証明についてみます。

    キーワード: 集合の濃度 、 可算集合非可算集合カントールの対角線論法

    \(\;\)

    [1] 集合論の授業ノート一覧
    [2] 写像 (集合論)
    [3] 単射と全射 (集合論)

    参考文献

    [1] 内田伏一、集合と位相、裳華房
    [2] 松坂和夫、集合・位相入門、岩波書店
    [3] 藤岡敦、集合と位相、裳華房
    [4] 鈴木晋一、集合と位相への入門、サイエンス社