授業内容

     前回に引き続き、集合の濃度について説明します。

    ベルンシュタインの定理
    集合 \(X、Y\) に対して、\(X\) から \(Y\)、 \(Y\) から \(X\)、 の両方に単射があれば、 \(X\) から \(Y\) に全単射が存在する。

    \(X\) と \(Y\) の濃度が等しいことを示すとき、 \(X\) から\(Y\) に全単射を見つけるのが難しいことがあります。しかし、その場合でも、\(X\) から \(Y\)、 \(Y\) から \(X\) への単射は比較的簡単に作れることがあり、このような状況では、ベルンシュタインの定理が役に立ちます。
     例えば、

    $$ f:[0,1]\rightarrow (0,1)\; \left(x\mapsto \frac{x+1}{3}\right), \;\;\;  g:(0,1)\rightarrow [0,1]\; (x\mapsto x)$$

    は明らかに単射なので、ベルンシュタインの定理から \([0,1]\) から \((0,1)\) に全単射が存在していることが分かります。
     今回の授業ノートでは、実例を交えながら、ベルンシュタインの定理の使い方を見ていきます。

    キーワード: 集合の濃度 、 ベルンシュタインの定理

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    [1] 集合論の授業ノート一覧
    [2] 写像 (集合論)
    [3] 単射と全射 (集合論)
    [4] 集合の濃度とカントールの対角線論法 (集合論)

    参考文献

    [1] 内田伏一、集合と位相、裳華房
    [2] 松坂和夫、集合・位相入門、岩波書店
    [3] 藤岡敦、集合と位相、裳華房
    [4] 鈴木晋一、集合と位相への入門、サイエンス社