授業内容

      ベクトル空間 \( V \) 上の 内積 とは、二つのベクトル \( \boldsymbol{u}, \boldsymbol{v}\in V \) に対して、 実数 \( (\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v}) \) を対応させる写像で次の(1)-(4)を満たすもののことです。

    (1) \( (\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v} ) = (\boldsymbol{v}, \boldsymbol{u}) \)
    (2) \( (\boldsymbol{u}+ \boldsymbol{w}, \boldsymbol{v})= (\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v})+(\boldsymbol{w},\boldsymbol{v})\)
    (3) \( (a\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v})= a(\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v})\)  ( \( a \in \mathbb{R}) \)
    (4) \( \boldsymbol{u} \neq \boldsymbol{0}\) なら, \( (\boldsymbol{u}, \boldsymbol{u})>0\)

    ベクトル空間は、内積を導入することで、長さや直交性など幾何学的概念を定義することが可能になります。今回は内積の定義や基本的な性質について説明し、\( \mathbb{R}^n \) や多項式ベクトル空間の場合の 内積 について紹介します。 また後半では、内積を用いてノルム を定義し、シュワルツの不等式三角不等式 の証明を与えます。

    キーワード: 内積ノルムシュワルツの不等式三角不等式

    授業ノート

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    [1] 線形代数の授業ノート
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    [3] 1次独立と1次従属の定義と例

    参考文献

    [1] 石井園子, 「やさしく学べる線形代数」, 共立出版
    [2] 上野 喜三雄, 「線型代数の基礎」、内田老鶴圃
    [3] 加藤文元, 「チャート式シリーズ 線形代数」, 数研出版
    [4] 三宅敏恒,「線形代数」, 培風館