授業内容
ウィルソンの定理とは、素数 \(p\) に対して、
$$(p-1)! \equiv -1 \pmod p\quad \quad (1)$$
が成り立つという主張です。小さい素数で確認してみると、
$$ \;1! \equiv -1,\;\;\;\; \;\;\;\; \; \pmod 2, \; \\ 2! \equiv 2 \equiv -1 \;\;\;\;\;\pmod 3, \\ 4! \equiv 24 \equiv -1\;\;\;\pmod 5, \; \\ \;6! \equiv 720 \equiv -1\;\; \pmod 7\; \;$$
となり、(1)が成立します。今回は第7回で紹介した原始根を用いて、ウィルソンの定理に証明を与えます。また後半では、原始根の別の応用として、
$$x^2\equiv -1 \pmod p$$
が解を持つ素数 \(p\) の条件について調べます。
\(\;\)参考文献
[1] 青木昇、素数と2次体の整数論、共立出版
[2] 山崎隆雄、初等整数論: 数論幾何への誘い、共立出版