授業内容
素数 \(p\) に対して、整数 \(a\) が\(p-1\) 乗してはじめて\(1\)と法 \(p\) で合同となるとき、\(a\) を法 \(p\) の原始根と言います。例えば、
$$2^1 \equiv 2 \pmod 5,\\ 2^2 \equiv 4 \pmod 5, \\ 2^3 \equiv 3 \pmod 5, \\ 2^4 \equiv 1 \pmod 5$$
なので、\(2\) は法 \(5\) の原始根となります。一方、$$4^1 \equiv 4 \pmod 5, \\ 4^2 \equiv 1 \pmod 5$$ なので、\(4\) は 法\(5\)の原始根ではありません。原始根は、整数論において極めて有用な道具になります。今回は、原始根の基本的な性質について紹介し、さらに全ての素数に対して原始根が存在することを証明します(原始根定理)。
参考文献
[1] 青木昇、素数と2次体の整数論、共立出版
[2] 山崎隆雄、初等整数論: 数論幾何への誘い、共立出版