授業内容
加法と乗法の二つの演算が定義された集合で、いくつかの公理を満たすものを環と言います。整数全体の集合や複素係数多項式全体の集合は代表的な環の例です。環の概念は、整数論、代数幾何学、表現論など様々な数学の基礎になります。ここでは、環の基本事項について解説していきます。また応用として、ガウス整数環などの代数体の整数環の構造についても紹介します。
キーワード: 環、整域、体、多項式環、イデアル、素イデアル、極大イデアル、準同型定理、PID、UFD、ガウス整数環
予備知識 : 集合論、初等整数論、群論
授業ノート
第1回: 環の定義と性質
第2回: 整域と体
第3回: 部分環
第4回: 多項式環
第5回: イデアル (1)
第6回: イデアル (2)
第7回: 環準同型
第8回: 剰余環
第9回: 素イデアルと極大イデアル
第10回: 環準同型定理
第11回: UFD
第12回: PID
第13回: ガウス整数環
第14回 : 商体の定義と構成
第15回 : UFD上の多項式環
第16回 : 多項式の既約性とアイゼンシュタインの定理
演習問題
参考文献
[1] 飯高茂、「環論(数学のかんどころ)」、共立出版
[2] 桂利之、「代数学I 群と環」、東京大学出版
[3] 木村哲三、新妻弘、「群・環・体入門」、共立出版
[4] 佐藤篤、田谷久雄、「理工基礎代数系」、サイエンス社
[5] 雪江明彦、「代数学2 環と体とガロア理論」、日本評論社