\(\;\) 整域 \( A\) を考えます。 一次以上の多項式 \( f(x) \in A[x]\) に対して、
$$f(x)=g_1(x)g_2(x), \:\:\:\deg g_1(x) \ge 1, \;\;\;\deg g_2(x) \ge 1$$
を満たす \( g_1(x), \; g_2(x) \in A[x]\) があるとき、\( f(x) \) は \( A \) 上可約と言い、そうでないとき、 \( f(x) \) は \( A \) 上既約と言います。\(\;\) 例えば、 \( f(x)=x^2+1 \) と置くと、\( \mathbb{C} \) 上では \( f(x)=(x-i)(x+i) \) と分解できるので、\( f(x)\) は \( \mathbb{C} \) 上可約です。一方、\( \mathbb{Q} \) 上ではこれ以上分解できないので、\( f(x)\) は \( \mathbb{Q} \) 上既約となります。
\(\;\) 今回の授業ノートでは、UFD上の既約多項式の性質について調べます。目標は多項式の既約判定で頻繁に用いられるアイゼンシュタインの定理を証明することです。
キーワード: 既約多項式、アイゼンシュタインの定理
授業ノート
\(\;\)関連する授業ノート
[2] UFD(UFDの定義や性質について紹介しています)
[3] UFD上の多項式環 (UFD上の多項式環の基本事項を説明しています)
参考文献
[1] 飯高茂、「環論(数学のかんどころ)」、共立出版
[2] 桂利之、「代数学I 群と環」、東京大学出版
[4] 佐藤篤、田谷久雄、「理工基礎代数系」、サイエンス社