可換環 \( A \) の空でない部分集合\( I \) が次の2条件を満たすとき、  イデアル と言います。

     (1) \( x, y \in I \) ならば、\( x-y \in I \)。

     (2) \( a\in A,\;\; x \in I \) ならば、\( ax \in I \)。

    例えば、整数環 \( \mathbb{Z} \) において、\( 2\) の倍数全体

    $$ 2 \mathbb{Z}=\{2k \; | \; k \in \mathbb{Z} \} $$

    は上記の(1)、(2)の条件を満たすので \( \mathbb{Z} \) のイデアルです。イデアルは環の構造を調べる上で極めて重要な概念です。今回はイデアルの基本事項と具体例について解説します。

    授業ノート

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    参考文献

    [1] 飯高茂、「環論(数学のかんどころ)」、共立出版

    [2] 桂利之、「代数学I 群と環」、東京大学出版

    [3] 木村哲三、新妻弘、「群・環・体入門」、共立出版

    [4] 佐藤篤、田谷久雄、「理工基礎代数系」、サイエンス社

    [5] 雪江明彦、「代数学2 環と体とガロア理論」、日本評論社