整域 \( A \) のイデアルが全て単項イデアルになるとき、\( A \) を PID と言います。例えば、整数環 \( \mathbb{Z} \) のイデアルは整数 \( n \) を用いて

    $$n\mathbb{Z}=\{nx \;| x \in \mathbb{Z}\; \}$$

    と一つの元で生成できるので、\( \mathbb{Z} \) はPIDになります。他にも、体 \( K \) 上の一変数多項式環 \( K[x] \) などもPIDの代表的な例です。
     今回はPIDの性質について詳しく解説します。また、前回紹介したUFDとの関係についても考察します。

    授業ノート

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    参考文献

    [1] 飯高茂、「環論(数学のかんどころ)」、共立出版

    [2] 桂利之、「代数学I 群と環」、東京大学出版

    [3] 木村哲三、新妻弘、「群・環・体入門」、共立出版

    [4] 佐藤篤、田谷久雄、「理工基礎代数系」、サイエンス社

    [5] 雪江明彦、「代数学2 環と体とガロア理論」、日本評論社