体 \( L \) を \( \mathbb{C} \) の部分体とします。 代数拡大 \( L/K \) において、 任意の元 \( \alpha \in L \) の \( K \) 上共役がすべて \( L \) に含まれるとき、 \( L/K \) はガロア拡大 であると言います。例えば、 \( z \in \mathbb{C}\) の共役元は\( z, \; \bar{z}\) (\( \bar{z} \) は \( z \) の複素共役) であり、これらは共に \( \mathbb{C} \) に含まれるので、 \( \mathbb{C} /\mathbb{R}\) はガロア拡大と言えます。ガロア拡大\( L/K \) に対して、\( K \)-準同型の集合

    $$ G(L/K)=\text{Hom}_{K}(L, \mathbb{C})$$

    を考えます。このとき、\( G(L/K)\) には写像の合成を演算として群構造を入れることができ、この群を \( L/K \) の ガロア群 と呼びます。今回はガロア拡大の例や性質、またガロア群の計算方法について解説します。

    注意) 議論を簡単にするために、体は複素数体 \( \mathbb{C} \) に含まれるものだけを考えています。一般の場合は、下記の文献等をご覧ください。

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    [1] 体論の授業ノート一覧

    参考文献

    [1] 彌永 昌吉 , 有馬 哲 , 浅枝 陽、「詳解 代数入門」、東京図書
    [2] 中野伸、「ガロア理論」、サイエンス社
    [3] 雪江明彦、「代数学2 環と体とガロア理論」、日本評論社