授業内容
\(\;\) 群の元 \( x \) に対して、 \( x^n=1 \) となる最小の自然数 \( n \) のことを \( x \) の位数と言い、 \( |x| \) や \( \text{ord}(x) \) で表します。そのような自然数が存在しないときは、 \( x \) の位数は無限であると言います。例えば、3次対称群の元
$$ \sigma = \left(\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 3 \\
2 & 3 & 1
\end{array}\right) \in S_3$$
を考えると、
$$ \sigma^1= \left(\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 3 \\
2 & 3 & 1
\end{array}\right), \;\;\; \sigma^2 = \left(\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 3 \\
3 & 1 & 2
\end{array}\right), \;\;\; \sigma^3 = \left(\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 3 \\
1 & 2 & 3
\end{array}\right)=\text{Id} $$
となり、3乗して初めて単位元になるので、\( |\sigma|=3\) となります。今回の授業ノートでは、位数の定義や性質を紹介し、さらに位数の計算方法や証明の仕方を実例を用いて説明します。
キーワード: 位数
授業ノート
\(\;\)参考文献
[1] 彌永 昌吉 , 有馬 哲 , 浅枝 陽、「詳解 代数入門」、東京図書
[2] 桂利行 、「代数学I 群と環」、東京大学出版会
[4] 雪江明彦、「代数学 I」、日本評論社