前回はガロア理論の基本定理について紹介しました。まずは内容を復習しておきます。有限次ガロア拡大 \( L/K \) とそのガロア群 \( G \) を考えます。 \( G \) の部分群 \( H \) に対して、
$$ L^H=\{x\in L\; | \; \sigma(x)=x \;\;(\sigma \in H) \}$$
は\( L/K \) の中間体になり、 逆に \( L/K \) の中間体 \( M \) に対して、 \( H(M)=\text{Gal}(L/M) \) は \( G \) の部分群となります。ガロアの基本定理とは、\( L/K \) の中間体全体 \( \mathbb{M} \) と \( G \) の部分群全体 \( \mathbb{H} \) の間に
$$ \Phi: \mathbb{H}\rightarrow \mathbb{M}\;(H\mapsto L^H),\quad \Psi: \mathbb{M} \rightarrow \mathbb{H} \; (M \mapsto H(M))$$
により一対一対応が与えられるというものでした。今回はこの証明について解説していきます。
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注意) 議論を簡単にするために、体は複素数体 \( \mathbb{C} \) に含まれるものだけを考えています。一般の場合は、下記の文献等をご覧ください。
\(\;\)参考文献
[1] 彌永 昌吉 , 有馬 哲 , 浅枝 陽、「詳解 代数入門」、東京図書
[2] 中野伸、「ガロア理論」、サイエンス社